今日は、栄養素「食物繊維」について。
食物繊維は、人間の消化酵素で消化することのできない成分で、ちょっと前までは「便の材料」くらいの扱いだった栄養素です。それが近年、五大栄養素に加え第六の栄養素と言われるくらい、私たちに貢献してくれていることが分かり、お株上昇(笑)の栄養素です。
食物繊維には2種類ありまして。
皆さんが、食物繊維として思い浮かべやすいのが「不溶性食物繊維」
硬そうでごつごつしたイメージのある繊維です。糸状のもの多孔質のものがあり、ボソボソ、ザラザラとした触感が特徴です。
玄米や豆、野菜、イモ類、きのこ類に多く含まれます。腸を刺激して排便を促すとか、有害物質を吸着して体外に排泄する役割があります。
その他にも。
◎噛み応えがあり、歯茎や顎を強くし、虫歯を予防する
◎大腸がんの予防
◎虫垂炎を予防
◎便秘の予防や改善をしてくれる働きが期待できます。
もう一つの食物繊維が「水溶性食物繊維」
いっけん繊維?って感じのヌルヌル・ネバネバな感じのです。
わかめやこんにゃく、めかぶ、もずく、オクラ、山芋、キャベツ、大根なんかが水溶性食物繊維を多く含んでいます。
働きとしては
◎血圧の上昇を防ぐ
◎高コレステロールの改善
◎血糖値の急な上昇を防ぐ
◎便と水分量のカサを増す
などがあります。
そしてそして。食物繊維が腸内で腸内細菌たちが発酵・分解することによって「短鎖脂肪酸」が作られ、腸内環境を整えてくれます。
みなさん、ご存じのように腸は、消化、吸収、排泄のほか、代謝、解毒、合成、免疫などの働きも担っています。
さらに!
短鎖脂肪酸は、腸内だけでなく、血液を通じて筋肉、臓器、脳などに運ばれて、様々な役割を果たします。食物繊維と腸内細菌の共同作業が無ければ、私たちの身体は、健康維持が難しいといっても大げさではないでしょう。
余談ですが。
牛って牧草が、主食なのにあんな霜降りのお肉ができるって不思議じゃないですか?
実は、牛の霜降り肉は、食べた草が腸内細菌によって発酵・分解するという自然の化学変化からできるんですよー 腸内細菌での食べ物の化学変化ってすごいですよね。
食物繊維を摂るのにオススメの食材は。
◎こんにゃく・シラタキ・つきこんにゃく
◎納豆
◎わかめ
◎レンコン
◎小豆
◎枝豆
などなど。
食物繊維が不足することによって、虫歯、糖尿病、十二指腸潰瘍、便秘、大腸がん、肥満、動脈硬化などのリスクも上昇します。
うんちの材料になるだけじゃあなくて、こんなにも重要な役割がある食物繊維。
どんどん積極的に取り入れてくださいね!